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No70 田邉泰美  『イギリスの児童虐待防止とソーシャルワーク』  明石書店、 2006年

キーワード: 児童虐待、 児童虐待防止ソーシャルワーク、 イギリスのソーシャルワーク


イギリスの児童虐待防止制度の歴史と現状における課題については多数の文献がある。だが、本書は1889年の全国児童虐待防止協会の成立から始まって、ブレア政権のクオリティ・プロテクツ(インクルージョンを目指した子ども期総合支援対策)まで、被虐待児死亡事件や社会政策の変化による本制度の変遷を、実に詳細に説明している。

また、制度や施策の変化が、児童虐待防止にかかわるソーシャルワークをどのように変え、ソーシャルワーカーにどのような影響を与えていったかについて論じている。

児童虐待防止には、Family Support(著者はこれを子育て支援と訳している)により、親が子どもを虐待をしないように支援していくという予防ソーシャルワークと、虐待のハイリスク家族を中心に積極的介入を行っていくという虐待防止ソーシャルワークの2つが必要である。

この点が繰り返し指摘されながら、地方自治体の財政事情は、Family Supportや予防ソーシャルワークの展開を許さず、限定的で対処療法的になりがちな虐待防止策と虐待防止ソーシャルワークが中心になってしまうという現実。その現実のなかで、子どもたちの利益のために、ソーシャルワーカーの専門性を向上させる地道な努力が行われている。

イギリスのソーシャルワークのターニングポイントは、シーボーム改革によるジェネリックなソーシャルワーク(家族全体を視野に入れ、どのような問題にも一人のワーカーが中心となって対応する)の誕生と、NHSとコミュニティケア法による「サービスの購入者と提供者の分離」およびケアマネジメントの導入である。

この2つは、児童虐待防止ソーシャルワークについても大きな影響を与えている。田邉さんはその点、特に後者の点についてていねいに論じている。イギリスの保健省はソーシャルケアの育成と質の向上に力を注いでおり、ソーシャルワークは、児童虐待防止と精神保健分野にしか存在しなくなる、と田邉さんは予告する。

わが国では、1990年代以降、ようやく広くソーシャルワークが展開できる場と機会が誕生した。これから発展して欲しいと思っている日本のソーシャルワークも同じ運営なのか、それとも、社会に不可欠な機能、サービスとして、児童虐待防止とメンタルヘルスの分野とともに、他の分野でも発展していくのか。

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