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福祉関連の本の紹介と、ちょっとした福祉にかんする話題を提供するコーナーです

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No67 ブロンウエン・エリオット、ルイス・マローニー、デイー・オニ ール、楡木満生他監訳  
『家族のカウンセリング--親子・家族の強さを見つけるストレングスアプローチーー』ブレーン出版、2005年


キーワード:ファミリィワーク、ストレングスアプローチ、楽観主義、解決志向型アプローチ、ナラテイブアプローチ、認知的アプローチ、コミュニティ開発アプローチ


ファミリィワーク、ファミリィソーシャルワーク、という用語が、わが国の社会福祉、子ども家庭福祉の文献にも登場するようになってきた。

本書での定義(=家族問題に実際に直面する取り組み、家族機能や家族メンバーが関係するさまざまな問題を解決していく実践活動)のような意味で使われたり、児童養護施設や児童相談所における家族再統合を目指した実践という意味で用いられたりしている。

平成16年度から、児童相談所だけでなく市町村も、責任をもって児童虐待を含む子ども家庭問題に対応することになった。それゆえ、児童相談所や児童家庭支援センターだけでなく、市町村の子育て支援課や、東京都の子ども家庭支援センターなどにおいても、ファミリィワーク/ファミリィソーシャルワークの実践が求められている。

本書は、ファミリィワーク/ファミリィソーシャルワークの実践において有効性の高い4つの支援アプローチを、事例を示しながらわかりやすく、ていねいに説明している。わが国の子ども家庭福祉分野で働く実務者にとっても有益と思われる。

4つのアプローチは、①解決志向型(ソルーションフォーカスト)アプローチ、②ナラテイブ(物語)アプローチ、③認知的アプローチ、④コミュニティ開発アプローチである。

オーストラリアのファミリィソーシャルワーカーである著者らは、この4つをまとめてストレングスアプローチと言い、その有効性に信じている(客観的成果評価は困難という認識のもとに)。家族員の潜在能力を引き出し、家族自身による変化を信じて支援していくことから、楽観主義のアプローチとも言っている。

①~③については、解説本も多いので説明は省こう。④コミュニティ開発アプローチというのは、家族のソーシャルサポートネットワークの構築を支援するとともに、家族員が地域の活動に参加し、ソーシャルキャピタル(社会的資本)になっていけるよう支援するというものである。

著者たちが言うように、これらのアプローチは、従来の「問題解決アプローチ」の発想を逆転させたものであるから、ちょっと学んだからといってすぐに実践できるものではないだろう。きっちりと研修を受け、できればスーパービジョンを受けながら経験を積んでいかなければむずかしい。楽観主義でいく、ストレングス(強み、可能性)を信じて支援する、といった姿勢だけでも、それを貫くのはさほど容易なことではない。

これらのアプローチは、ファミリィソーシャルワークの有用なアプローチである。それにもかかわらず、本書のタイトルが『家族カウンセリング』となっていて、心理臨床の本といった印象を与えるのは、至極残念。

わが国のファミリィソーシャルワークは、その必要性や重要性が近年になって確認されたばかりだ。その実情は、ケースマネジメント(相談支援とアセスメント、プランニング、プラン実施、モニタリング)が中心で、家庭訪問を武器に、①~④のアプローチによる支援によって子どもや家族の変化を促進し、エンパワメントしていくところまで実施できているところはないのではないか。あったとしても、おそらく例外的存在だろう。

だが、こうした家族の変化を促す支援のアプローチは、実践の現場で確実に求められている。

ジェネラリスト・ソーシャルワーカーである社会福祉士の養成教育のなかでも、これらのアプローチについての知識を提供する。そして、アドバンスト・ソーシャルワーカーとして業界で創設したらよいスペシャリスト・ソーシャルワーカー(子ども家庭福祉士、医療福祉士、など大学院修士卒の資格)の養成教育では、みっちり教育し、現任訓練もしっかり行う。そうしたことがぜひ必要だ。

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