FC2ブログ

Book+

福祉関連の本の紹介と、ちょっとした福祉にかんする話題を提供するコーナーです

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- --:-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |
No58  近藤克則 『「医療費抑制の時代」を超えてーーイギリスの医療・福祉改革――』 医学書院 2004年
 
 キーワード:ソーシャルケア、政策評価、ケアマネジメント

サブタイトルにあるように、イギリスの医療政策やブレアのNHS改革について記述し、日本へのインプリケーションを示した本である。第3部の1章では、「イギリス・ブレア政権の高齢者介護・福祉政策」として、ニュー・パブリック・マネジメント(NPM)を紹介している。

NPMは、①サービス基準や数値目標の明示、②サービス提供の民営化・効率化、③政策評価の重視、を特徴とする。①は、サービスの質向上のために、どのようなサービスの質が高いかをスタンダードで示すとともに、到達目標を数値で表す、というものである。

③は、たとえば、50の指標から成る業績評価枠組(PAF: Performance Assessment Framework)を指定し、地方自治体の業績を総合的に評価する指標として活用することを求める。

また、ソーシャルケア(福祉サービス)の向上のために、ソーシャルケアに関する研究の知見を集積し、それにもとづいた実践ガイドや電子図書館を通じて普及を図るSCIE(Social Care Institute for Excellence)が2001年に創設されたとのことである。このサイトからソーシャルケア研究のデータベース(CareData)が利用できる。

近藤氏が指摘するように、日本は、介護保険によってサービス供給システムやサービス評価システムはかなり整ってきたが、PAFやSCIFといった取り組みは不十分だ。今後、このような政策評価の手法やデータベース化は急ピッチで行われるだろう。

こうした傾向と平行して、近年、日本のソーシャルワークにおいても、EBP(Evidence-Based Practice)が重視されつつある。EBPで行える範囲は、ソーシャルワークについては限定的だと思うけれども、政策評価とともに、実践の評価研究も必要だ。

2章「イギリスのケアマネジメント」では、日本の介護保険下のケアマネジメントと異なり、イギリスのそれが自治体によって実にバラバラである点を紹介している。チャリスたちの言う集中的なケアマネジメントが必要と言っているが、日本でも介護保険の前は、この集中的ケアマネジメント、つまり、複合的ニーズをもつ人々、長期にわたり複数のサービスを必要とする重度の要介護高齢者をターゲット化して、サービスを統合的に供給することがケアマネジメントである、という認識があった。

それが介護保険を実現するために、要介護高齢者すべてを対象とするものに政治的に広げられたのだ。日本の介護保険に似た制度を州ごとに導入するか否か、プロジェクトを実施して検討したオーストラリアでは(プロジェクトの結果、その制度を導入しない州が多かった)、ケアマネジメントは高齢者の場合も精神障がい者の場合も、ターゲテイングしている。

2006年度からの介護保険の改正(?)は、遅まきのターゲテイングの開始である。ケアサービスとケアマネジメントサービスを利用してきた大多数の軽度の要介護者にとっては、つらいところだ。セルフケアプラン(高齢者自身によるケアマネジメント)と、地域でのサービス資源づくりを、比較的元気なうちにみなで始めなければ。

スポンサーサイト












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://beagles.blog15.fc2.com/tb.php/62-17215d79

介護・福祉・保育は重要
これからの少子高齢化社会、また、子供たちの将来のために、必要とされる仕事があります。

2006.10.03 15:58 | 気まぐれひとりごと通信

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。