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福祉関連の本の紹介と、ちょっとした福祉にかんする話題を提供するコーナーです

No45 木原活信 「自分史と福祉実践――対抗文章としての記録(ナラティヴ・リコード)についてーー」ソーシャルワーク研究 Vol.31 No.3 、2005年

キーワード:ソーシャルワーク、記録、ライフストーリー


ソーシャルワーク教育において、記録は大変重要であると教えられる。たとえば、記録は、アセスメントや支援計画作成に役立てる、クライエントとの情報共有に活用する、などクライエントに対してよりよい支援のために必要、また、援助者が交代しても支援の継続性や一貫性を保つため、他機関との情報共有のため、など援助機関の機能を高めるために不可欠、さらに、スーパービジョンや訓練のために活用する、調査研究に役立てる、などのためにも必要である、と学ぶ。

これに対し、木原さんは、援助者による記録を絶対視(承認)しないという、批判的な視点をもつことが援助者自身に必要であると、新しい視点の取り込みを提案している。批判的な視点を教えてくれるのが、福祉の領域における当事者自身の書く記録、つまり、自分史である。自分史は、パーソナル・ナラテイヴ・リコードであって、生活綴り方運動やふだん記運動が、歴史家の客観的歴史に対抗するものとして機能したように、自分史も援助者による記録(ドミナント・ストーリー)への「対抗文章」として位置づけることができる。

本稿では、自分史を援助実践に取り入れている、児童養護におけるライフストーリー作成の実践を紹介しているが、自分たちの生い立ちの記録をソーシャルワーカーや里親たちの支援を得ながら作るという欧米での試みの導入は、大いに関心をそそられる。
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