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No43 イギリス保健省・内務省・教育雇用省(松本伊知郎他訳)
『子ども保護のためのワーキング・トゥギャザー ――児童虐待対応のイギリス政府ガイドラインーー』医学書院、2002年


キーワード:児童虐待、当事者参加、パートナーシップ

イギリスの1989年の児童法は、親との共同(パートナーシップ)の原理を取り込んだもので、ソーシャルワーカーの調査結果を受けて招集される子ども保護会議(Child Protection Conference)に、家族が参加することを原則としている。これは、多数の子どもの性虐待を理由とする分離保護に疑義が出されたクリーブランド事件を契機に、親の養育に対する公的介入の「行き過ぎ」を批判する論議がなされたことを背景としている。一定の年齢に達し、十分な理解力のある子どもも可能なら参加する。

この当事者参原則にもとづいて、子ども保護会議は、すべての親に対して出席を促す。そして、会議の前には、こうした子どもや親、関係する家族に、会議の目的、出席予定者、運営方法を必ず説明し、友人や代理人を同伴してもよいことを伝える。訳者の松本氏の解説によると、会議の席では親は発言を奨励されるが、決定には参加できない。親が弁護士をつれてきたり、弁護士が代理出席する場合、弁護士費用は自治体が負担する。

当事者参加の利点としては、①なぜ調査や保護が必要かを親に明確に伝え、早い段階で困難に直面したほうがソーシャルワーカーとの関係がつくりやすい、②ケアプランに親の意見を反映させサインを得るので、ケア実施に協力が得やすい、③親に情報がきちんと伝わる。④意見表明の機会があるので親の不安やストレスを下げることができる、⑤親の指摘から状況把握の間違いを訂正できる、などがあげられている。

ソーシャルワーカーら関係職に対するアンケート調査結果では、当事者は「会議の全体を通して招かれるべき」だとする意見が14.4%、「全体を通して招かれるべき」が65.8%であった。実際の親の出席率は、ある調査によれば59%である。傍聴したある日本人の報告によれば、親の側に多少のとまどいはあっても、会議が大きく混乱することはなかったとのこと。

ニュージランドでも同じような当事者参加の仕組みがあったのではないか。わが国の児童虐待対応においても、専門職や関係職が協働しチームで対応していくという意味での「ワーキング・トゥギャザー」から、当事者との協働という意味での「ワーキング・トゥギャザー」へ、議論は移っているのだろうか?当事者参加は、ソーシャルワーカー(日本でいえば児童福祉司)を初めとする関係者の専門性を大きく問うことになる。

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