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No22 平野隆之・佐藤真澄 「重症心身障害者の地域生活に関わる支援とその費用形成」
日本福祉大学社会福祉論集 第113号 2005年

キーワード:重症心身障害者、地域生活支援、サービス利用、費用形成

       本論は、「個別の重症心身障害者が地域生活を目指すことを支援する諸事業に、社会的にどれだけの費用がかかっているか」を明らかにすることを試みた論文である。

2000年の介護保険実施前には、個別の要介護高齢者の地域生活を支えるために提供しているサービスの総費用がどれくらいか、計算を試みた調査研究がいくつかあった。こうした研究は、1989年の高齢者保健福祉推進10ヵ年戦略(ゴールドプラン)による在宅サービス利用の増加がみられたからこそ実施可能であった。

本論も、今国会に提出された「障害者自立支援法案」を念頭に置き、保障の目安としての費用データを提供することを目論んでいる。しかし、重症心身障害者の地域生活支援の費用について実態調査に基づいて総合的に把握したものはこれまでになく、貴重な論文である。


調査結果によると、サービス利用の実態は重症心身障害の障害程度指標と必ずしも対応関係になかった。サービスコスト面は、平均で1ヶ月約35万円。高水準の40万円以上では、居宅系サービスと訪問系サービスを組み合わせて利用。低水準の20万円未満では、通所系サービスのみの利用が多い傾向がみられた。高水準の利用ケースでも、施設入所と比較すると、施設入所ケースのもっとも低水準の層と同等かそれ以下の水準であった(ただし、これは、母親を中心とした家族介護者の無償の労働が前提となっている)。

「サービスパッケージ」の分類は4つに分類されるが、この利用タイプは、低水準の利用から高水準の利用タイプへと変わっていく。と同時に、「日中活動」「日常生活行為」「家族からの自立」という形で、地域生活が高まっていく傾向がうかがえる。

低水準のサービス利用は、家族内での介護で完結している傾向が強く、サービスの利用をセルフマネジメントできず、「自らの利用経験を根拠に形作られる利用者の利用意識が反映」したサービスパッケージを作れない恐れが強い。

「自立支援法案」は、複数のサービス利用が必要な者に限定してサービス利用計画の作成(ケアマネジメント)を想定しているけれども、こうしたケースに対してこそ相談援助事業が必要ではないかと、著者たちは指摘している。まったくそうだと思う。

 
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