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福祉関連の本の紹介と、ちょっとした福祉にかんする話題を提供するコーナーです

「移民高齢者の虐待・ネグレクト」


先日、カナダの研究者の方に、カナダの移民高齢者にも虐待・ネグレクト問題があるというお話を聞きました。


カナダでは移民が年間25万人と多く、高齢化率は抑えられている。だが、かつてやってきた若い移民たちが結婚し、子どもを産み、保育を受けるだけの資力がないため、子守りとして本国から親を呼び寄せた。その親たちが、次第に老いてきたけれども、その老親をケアする力がなく、結果としてネグレクトになっているという。


ただ、それは家族の問題というだけではなく、コミュニティや社会の問題でもあるということだ。老親たちは言葉ができないため社会になじめない。また、小国から集団としてではなく個人々で来た人々は、チャイナタウンやコリアンタウンなどのようなコミュニティを作ることもできず孤立している。


仕事をもったとしても自営業が多く、年金額が少ない。年金のない不法入居の親たちもいて、多くの移民高齢者が自分の自由になるお金をもっていない。そのため、子ども家族に頼らざるを得ない。だが、子ども世代にそのゆとりはない。


そして、カナダでも新自由主義の影響でソーシャルサービスが制限され、家族をサポートする施策がない。移民には購買力のない人が多く、市場サービスを購入することはできない。移民高齢者に対する教育や住宅サービス、福祉サービスも限られていて、サービスにつながりにくい。


お聞きしていて、移民高齢者のネグレクト問題というよりも、「社会的排除」として取り組むべき問題ではないかと思いました。


お話しされた先生が、高齢者が当事者として参加する「移民高齢者と虐待・ネグレクト研究のためのネットワーク」を構築しようとされているのも、こうした「社会的排除」問題としての側面を認識されているからだろうと思いました。今日、ソーシャルアクションに当事者参加は当然のこと、ということもおっしゃっていましたが。
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