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福祉関連の本の紹介と、ちょっとした福祉にかんする話題を提供するコーナーです

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寺本晃久・末永弘・岡部耕典・岩橋誠治
 『良い支援? ――知的障害/自閉の人たちの自立生活と支援――』   生活書院、2008年

キーワード:知的障害、自立生活、支援

おもしろいタイトルである。
「知的障害をもつ人にとって、良い支援と思っていることが、実はそうとは限らない」ということを、障害当事者や代弁者、また、家族が書いた本かな、と思って読み始めた。
「そういうことをみんな考えたことあるの?みんなはどう考えるの?」と問う本であった。

「既存の知的障害福祉(つまりハコを前提とすること)ではなく、自律生活運動の延長にある支援・介助とも重なり/けれども必ずしも同じではないような「何か」を打ち立てられないかと考えている」支援者や家族がそれぞれの経験をもとに思索を展開している。

どの章も、ああそうなのか、では/そうは言っても、、、、と思考を促す興味深いものであった。

「支援するという立ち位置を超えて支援者や周囲の人々が知的障害/自閉の人の世界にひたっていく、ひきずりまわされる、ということが肯定されてよいと思う。ひるがえってみれば、そうすることは、“普通”と言われているこの世界がいかに成り立っているのか、という問いをそれぞれにつきつけることなのだと思う」

「その人の固有の流れを常に感じていることが、まず前提にあるのだと思う。できないことや指示だけに対応していてはいざ必要なときに介助にならない。できないことはそう容易く解決できなかったりする。そうではなく、何かをする、というよりも、ひたすら感じていることが、まず必要な仕事なのではないか」

「介助者はそれぞれに違う考え、違う経験、違う個性をもった人間である。介助者という他者がそこにいてしまう時点で、すでに手足になれない(ならない)要素を多分にもたらしてしまう。むしろ自分の考えを差し出してみる、置いてみることが面白いと思うし、いやおうなくそうしてしまうのだと思う。ただし、その考えは自分にとってのものでそれがふつうだとか絶対ではないと踏まえていることと、それぞれの人の考えがさらけだされる関係や場所がたくさんあるといいと思う」

「生活の主体者は利用者であるという第一原則を守るためには、介護者は単に利用者に依拠して物事を進めるというだけでは足りません。介護者一人一人が自分の個性を立ち上げて、そこから部屋の整理や掃除の仕方について考えて、その上でその利用者の個性を大事にできる方法について考えないと実現できないのです。(中略)介護者が自分の個性を出す(考えながらやる、できるだけ我慢しない)ことによって、利用者の個性を守っていくという方法、これが「利用者と介護者という違う個性をもった二人の人間が一緒にいるということという第二原則の意味です。」

重なり/けれども必ずしも同じではないような「何か」、とても大変そうだけれどとても面白そうな何かが、少しずつ見えてくる。

介助という労働と支援の制度についての思索もある。「自立生活」を考えていくにあたって必読の書。

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