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福祉関連の本の紹介と、ちょっとした福祉にかんする話題を提供するコーナーです

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N0.66 川崎二三彦 『児童虐待――現場からの提言』 岩波新書、2006年

キーワード:児童虐待、児童相談所、児童福祉司、児童養護施設

    
   児童虐待に関する本はいくつも刊行されているが、本書は、第一線で児童虐待に立ち向かい続けてきた川崎氏の手によるものである。あとがきに、児童福祉司として日々、過酷で緊張つづきの業務の合間を縫い、疲れた身体にむちを打って書いた、とある。

だからといって、日々の業務のつらさや苦しさを直接吐露したものではない。統計数字や事例、法制定過程における審議内容や法等を根拠として提示しつつ、児童相談所や児童虐待対策をめぐるさまざまな問題点や課題を、また、改善・解決に向けての提言を、経験に裏打ちされた視点から整理して簡潔に述べている。

それゆえ、大変説得力がある。そして、これだけ課題が明確になっているにもかかわらず、課題が1つずつクリアされていく、という実感を、最前線で働く児童福祉司さんたちがまるでもてないというのは、一体どういうことだろう、と思ってしまう。


東京都の事業である子ども家庭支援センターは、市町村の子育て支援課が設置し、自治体における児童虐待防止の事業を中心的に行っていくことになっている。センターが都の児童相談所と連携しながら、親子分離をしないで児童虐待の家族を地域で支援し、要保護児童対策地域協議会という名称の関係機関ネットワークの事務局を担っている。

川崎氏は、市町村には専門に対応できる人材が乏しい、とデータをもとに市町村の役割と能力「?」をつけているようだ。だが、市町村が保健師や経験のある社会福祉士を、児童虐待対応/子育て支援専任として配置することを極力求めていくこと、そこが事務局となって、地域の関係諸機関の力を引き出し、種々の対応、とりわけ、予防に力を発揮していくこと、人口数の多い市区では、こうしたことがやはり重要ではないだろうか。遠回りではあるが、児童相談所の機能の効果的、効率的発揮のために必要なことだと思う。
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