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福祉関連の本の紹介と、ちょっとした福祉にかんする話題を提供するコーナーです

No9 山脇直司『公共哲学とは何か』ちくま新書、2004年

キーワード:公共哲学、ポスト専門化時代、民の公共、グローカリズム

 近年、よく聞かれる公共哲学という言葉。なんとなく想像できるけれど、では、一言で説明せよ、と言われるとちょっと困る、そういう人が読んで「ああ、そうか、これでOK」と言える本であり、「この先をもうちょっと読まないと、、、」と思ってしまう本。公共哲学の第一人者である著者の、公共哲学入門本である。
   公共哲学は、滅私奉公や滅公奉私に対抗する「活私開公」の理念を追求し、タコツボ的「学問の構造改革」を目指す運動であり、「ポスト・イデオロギー時代」における「理念と現実」を統合し、「自己―他者―公共世界」の相互関連性を理解する学問、なのだ。よくわからん、という人は本書を見てください。
   社会福祉でもお馴染みのロールズの正義論やコミュニタリアニズム、ソーシャルキャピタル(信頼関係のネットワーク)、ケアという「市民的徳性」、「民の公共の担い手」としてのNPO、グローカリズムなどが、ああ、このようにつながるのだな、と理解できる。社会福祉の政策論を学ぶ人だけでなく、実践論を学ぶ人、実践する人もまた、公共哲学に関心を寄せるべし。
   個人的には、「民の公共」の場、あるいは、担い手としてのNPOの重要性について、NPOのもつ限界や課題も含めて、もっと勉強してみたい、と思った。
   本書のなかで紹介されている公共哲学ネットワークのHPを覗くと、公共哲学に関する文献情報を得られるだけでなく、書評とそれへのリプライの仕方を学ぶこともできる。

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